アサヒグループジャパン傘下のアサヒユウアス(株)は、サステナブルクラフトビールの開発を通じて、地域固有の課題解決や地域産業の活性化に貢献しています。これまで、利用価値の低い茶葉や、観光客減少で余ったイチゴなどを原料としたクラフトビールを開発してきました。
5つのクラフトビール、5つの地域課題解決
地域の社会課題解決への貢献やサステナビリティに特化した事業会社であるアサヒユウアス(株)は、次世代に向けたサステナブルなライフスタイルを提案し、地域循環共生圏を創出する「UPCYCLE B」プロジェクトを展開しています。このプロジェクトから誕生したサステナブルクラフトビール※は、多様なテイストを持つだけでなく、それぞれがフードロスなど地域固有の課題解決や地域産業の活性化に貢献しています。
酒税法上は発泡酒です。
第一弾として、2021年7月に発売した「蔵前BLACK」は廃棄コーヒー豆の削減・有効活用し、アップサイクルしたコーヒークラフトです。テスト焙煎などで飲まずに捨てられるコーヒー豆の扱いに頭を悩ませていた、蔵前地区(東京都台東区)にあるカフェや焙煎店の悩みに応えています。
「蔵前WHITE」は、サンドイッチ製造で活用しきれないパン耳を乾燥加工し、原料に使用したヴァイツェンタイプのブレッドクラフトです。知的障がい者施設「NPO法人つなぐ台東 たいとう第三福祉作業所」の利用者が、蔵前のパン・サンドイッチ専門店「マルセリーノ・モリ」から回収、乾燥加工し、製造しています。
「狭山GREEN」は、埼玉県狭山市の茶業者と連携して作り上げたクラフトビールです。これまで利用価値が低く使い切れなかったケバ茶を活用することで、狭山茶のフードロス削減と、狭山茶業界の活性化に貢献しています。
「さんむRED」は、コロナ禍の影響でイチゴ狩りの観光客が減少した、千葉県山武さんむ市観光農園のイチゴを冷凍保存し、原料に活用しています。
2022年6月に発売された第五弾となる「豊田AMBER」は、愛知県豊田市のお茶農家である高香園で、手摘みの茶葉を加工したときに生じる茎を原料の一部として使用。地域の素材を取り入れた商品を開発することで、アップサイクルを推進しています。
企業としてグッドデザイン賞を受賞
こうした活動が認められ、アサヒユウアス(株)は、総合的なデザイン評価・推奨をする「2022年度グッドデザイン賞」ベスト100を受賞しました。今回の受賞は特定の商品やサービスではなく、企業としての受賞となります。また、同賞の一環として実施された「私の選んだ一品『デザインの手ざわり』-2022年度グッドデザイン賞 審査委員セレクション」にも選ばれました。同セレクションは、審査委員一人ひとりが個人的なお気に入りや注目した受賞デザインを選び、紹介する企画です。
アサヒユウアス(株)を選出した女子美術大学副学長の松本博子さんからは、次のようなコメントをいただきました。「自社商品領域の枠を超え、地域課題や環境貢献を目的とした新会社は、わずか半年の間に様々な実験的活動で、多様な地域や人々をつなげる渦を創りながら進化し続けている。このような活動は人から言われてできるものではない。並外れた主体性と実行力を持ち、中心となって活動するメンバーの強い思いに賞賛を贈りたい」
今後もアサヒユウアス(株)は、アサヒグループがこれまで培ってきた知見とネットワークを生かし、持続可能な社会の実現に向けてスピード感を持ちながらも着実に歩みを進めていきます。