2022年第4四半期決算説明会 主な質疑応答

A.大幅なコストアップ影響などにより、非常に厳しい経営環境の中、対応策として日本・欧州各国・オセアニアにおいて適正な価格改定を実行した。コロナウイルス感染拡大以降、厳しい環境下にあっても、将来に向けたマーケティング投資を強化してきたことにより、数量を伸ばしながら、単価改善を図り、コストアップの吸収を進めることができた。特にチェコ・豪州・日本のように、強いブランドを有し、これまでも高いシェアを獲得してきた国で、更に競争優位性を高めることができた。また、グローバルブランドについても、徐々にスケールが大きくなってくる中で、これまで費用対効果の観点からなかなか着手できなかったスポンサーシップを活かしたブランド強化策も展開できるようになってきた。加えて、例えば脱アルコール技術のような知見について、グループ内で積極的に共有されるようになり、グループシナジーも着実に生み出されてきている。

A.仮に市況が軟化し、コストアップがピークアウトすれば、将来に向けた投資強化を継続しながらでも、業績を回復させることはできると思う。中期的なガイドラインで掲げている「事業利益の年平均成長率 +1桁台後半」を見据えながら、業績回復を目指していきたい。

A.基本的には、昨年発表した『中長期経営方針』の内容から変更は無い。まずはビールを中心とした既存事業の強化を図りつつ、社会の変化を捉えて、Beer Adjacent Categoriesの拡大を軸に事業ポートフォリオの多様化を進めていく。既存事業の拡大において、仮にM&Aを活用する場合は、魅力的な対象が存在するかどうかを含め、見極めが必要になる。また、当社は、酒類と飲料の両方で高度なケイパビリティを有しており、その強みを活かして、競争優位性のある商品を生み出し展開していきたい。更には、乳酸菌や酵母などのグループのリソースを活用した商品の展開も強化していく。

A.プレゼンテーション資料のP.5に「将来を見据えた最適な経営管理指標設定の見直し開始」と記載している通り、今後、新たな成功ステージに移行していくことを見据え、社内で最適な経営指標について議論を進めている。単純にKPIを掲げて数値のみをトレースするのではなく、各リージョンとも連携しながら、経営強化につながるか否かはもちろん、資本市場からも理解を得られるかどうかも含めて検討している。

A.23年に使用する主な原材料やエネルギーのうち、既に7~9割以上はヘッジをしていることに加え、今後市況が軟化したとしても、その効果が出てくるまでに一定の時間を要することから、本年はこの規模に近い水準でのコストアップが出て来る可能性が高い。一方で、未ヘッジのアイテムの市況が大きく下がれば、利益の押し上げ効果は出てくる可能性もあるが、仮にそのような状況になったら、将来の成長を見据えたブランド投資を強化したり価格改定の度合いを緩めたりする可能性も含め、状況を見ながら最終的に判断していく。

A.楽観視する訳ではないが、ビールは「affordable luxury」な商品であり、09年の世界金融危機の際にも、数量が大きく減少することはなく、かつプレミアム化は継続して進んだことなどから、現時点で過度な心配はしていない。各国の社員とも積極的に対話しているが、コストアップ要因を除けば事業は順調に営まれていると感じている。仮にダウントレードが起こったとしても、当社は各国で強いローカルブランドも有しており、更に一定の投資も継続しているので、需要に対する強い受け皿になれると考えている。今後のテールリスクとしては、地政学関連のリスクなどが挙げられる。

A.価格改定後の反動影響が解消されてからの期間がまだ短いため正確な試算をすることは難しいが、当初は数量減影響が△5%程度と想定していたが、実際には△3%程度に収めることができるかもしれない。今後も慎重に動向を注視していく。また、昨年の価格改定後も、20年10月以降に始まったビールへの需要回帰のトレンドは続いている。当社としては、この流れを継続させ、『スーパードライ』を軸にビールカテゴリーで競争優位性を高めるために投資を継続していく。

A.昨年1月に設立したアサヒグループジャパン社にて、事業横断で効率化に取り組んでいる。SCM再編においては、ビールの生産体制の最適化を図るとともに、ビールと飲料商品を製造するハイブリット工場を設立することにより、30億円以上のコスト効率化に取り組んでいく。また、直接材だけではなく間接材の購買機能の集約を進めて、日本全体での更なるコストマネジメントの高度化を図っていく予定である。これら以外についても、現在アサヒグループジャパン社が、傘下の事業会社と連携を取りながら様々な計画策定を進めている。

A.『Great Northern』は、豪州ビール市場No.1ブランドで、事業全体の成長を牽引している。発売後10数年の若いブランドであることから、市場変化に対して柔軟な対応を取ることでブランド価値を高めている。今後も『Great Northern』を核に、『Asahi Super Dry』や『Peroni Nastro Azzurro』などのグローバルブランドの展開を強化していくことにより、持続的な売上成長を目指していく。更にクラフトビールやRTD、飲料での健康志向を捉えたBetter for you商品の拡販や酒類と飲料を合わせたマルチビバレッジ戦略にも取り組み、新たな成長ドライバーの育成も進めている。本年の事業利益は、為替影響に加え、人件費や原材料の加工賃の高騰を織り込んでおり、増益率が一時的に低下する計画だが、事業ポートフォリオの盤石化は着実に進展している。

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