Asahi IR Day 2022(欧州・オセアニア事業説明会) 主な質疑応答
オセアニア事業
A.本年の販売数量は、業務用で前年比+20%台半ば、家庭用で前年並み、トータルで同+3%の成長を見込んでいる。業務用の回復によるチャネルミックスの改善や、プレミアム戦略に則ったRevenue Growth Managementの取組みなどにより、単価を向上させる計画である。当社は、顧客ニーズに対応する充実したポートフォリオを有しており、業務用において力強い回復が図れると考えている。事業利益については、原材料価格や物流費の高騰がある中で、業務用を中心とした売上の成長に加えて、コスト効率化にも取り組んでいく。
A.競合各社も注力するカテゴリーであるが、当社は同カテゴリーで17~18%のシェアを有している。同カテゴリーにおいて、当社には『4 PINES』『Mountain Goat』『BALTER』などの強いブランドを有しており、これまで数量だけではなく収益性の向上も着実に図れている。クラフトビールは、地域性を考慮に入れて拡大展開していくことが重要だと考えている。またプレミアム価格を設定するだけではなく、当社の強い事業基盤を活かしてSCM全体でのコスト効率化も進め、更に収益性を高めていく。
A.プレミアム化に向けた継続的なブランド投資により、売上収益と事業利益の成長を実現していく。また、当社の充実したマルチビバレッジ・ポートフォリオを活かし、レストラン・カフェ業態を中心に新たな需要の創出を図っていくとともに、旧CUB事業との統合シナジーの創出にも取り組んでいく。
A.『Great Northern』は、アルコール度数を抑えた飲みやすいラガータイプビールであり、アウトドア活動を楽しんでもらえるイメージを訴求した、「消費者・お客様を中心に据えたイノベーティブな商品」であり、これまで収益性やブランド力の強化を図りながら数量成長を実現している。『Great Northern Zero』についても、『Great Northern』のブランド力を活かした展開が図れ、消費者に受け入れられている。一方で、今後は『Great Northern』に過度に依存し過ぎることなく、プレミアムブランドや健康・Well-being関連の商品と合わせてポートフォリオ全体での成長を図っていく。
A.これまで、州毎に同制度が段階的に導入されており、VIC州やNZにおいても導入検討が為されている。仮にVIC州に同制度が導入されたとしても、業界全体で容器デポジット額相当を価格に上乗せする形となるため、当社の業績に大きなマイナス影響は与えないと考えている。
A.アルミ、砂糖、パッケージ関連等の原材料価格の高騰が挙げられる。これらについては、サプライヤーとの長期的なパートナーシップの構築に取り組み、その影響の緩和を図っている。また、使用する原材料の見直しによるコスト低減も図っている。中長期的には、消費者の需要や嗜好が変化する可能性があるので、当社としては需要の変化に対応した商品ポートフォリオを構築していくことが重要になる。
A.「プレミアム化」を牽引するドライバーは複数あり、5年後や10年後のドライバーは、現時点のものとは変わるかもしれない。健康志向やWell-being意識の高まりにより、今後ノンアルコール・低アルコール飲料、機能系・健康系飲料への需要が高まり、これらがプレミアム化を牽引していくことになるかもしれない。当社は、これらのカテゴリーにおいても、既に強いブランドを有している。また、チャネルミックスも1つの牽引ドライバーになる可能性があり、今後業務用業態における取組みを更に進化させていく。
A.業務用市場は、ここ数ヶ月間堅調な回復を見せており、今後もこの傾向が継続し、本年は19年比▲1桁台半ばの水準まで回復すると見ている。当社としては、ビールにおける優れたブランドポートフォリオも活かしながら、顧客と強固なパートナーシップを構築し、力強い回復を目指していく。家庭用においては、引き続き良好な関係を構築していくとともに、飲料事業の販売網を活用して、ノンアルコールビールの販売を強化するなどの取組みを進めていく。
A.当社は、豪州全土にわたるサプライチェーンのインフラを有しており、統合による最適化により、大きな効果を創出することができている。従来の飲料工場でのRTD製造に加えて、『アサヒスーパードライ』や『Peroni Nastro Azzurro』などのグローバルブランドの国内生産も強化しており、これらにより需要に適切に対応するだけでなく、コスト効率化も進んでいる。
欧州事業
A.欧州におけるインフレリスクは高まっているが、現時点ではビール消費の影響は出ていない。また、プレミアム化へのマイナス影響はなく、今後も当社では強固なポートフォリオを活用して、プレミアム化を推進していく。
仮に、ダウントレーディングが起きた場合、中東欧を中心に強固な事業基盤があるため、メインストリームカテゴリーを受け皿にすることはできると考えている。今後のリスクとして、販売価格の違いから業務用から家庭用への業態間の需要シフトによるチャネルミックスの悪化なども考えられるが、現時点ではその兆候もない。これまで消費者が慣れ親しんでいるプレミアムビールを中心に積極的に投資していくことで、今後もプレミアム化は継続できると見ている。
A.ウクライナ侵攻に伴う調達コストの高いボラティリティやサプライチェーンの混乱などにより、業績への影響は出てくる可能性はあるが、現段階では、見通すことは難しい。但し、当社はリスクをリバランスするヘッジ戦略を運用している。例えば、チェコでは大麦の100%を地元で調達するなどローカルに根差した取組みを推進している。また、アルミは今後も高いボラティリティが予想されるが、本年は8割以上をヘッジしており、2025年に渡るヘッジ比率も上げている。一方で、穀物(麦芽)などをヘッジできる期間は短く、マイナス影響を受ける可能性がある。現時点では、年間のリスク影響を定量化することは難しいが、これまでも持続的に売上単価の上昇に取り組んできており、コストマネジメントと合わせて最大限緩和に努めていく。
A.欧州では展開国も多く、様々な複雑な要素があり値上げ幅などを明示することはできないが、各国のCPIを鑑みながら値上げを実施している。競争環境などによって、その幅は異なるが、当社では、競合優位性を維持できるように「Occasion(機会)」, 「Brand(ブランド)」, 「Price(価格)」,「Channel(チャネル)」,「Region(地域)」の全ての要素を勘案し、価格戦略を策定し、実行している。
A.仮に売上収益の計画達成が難しい時には、マーケティング投資を含めた各種コストをコントロールしていくが、現時点でのウクライナ侵攻への影響や市況のボラティリティが、いつまで続くのかが不透明な中では、どの程度コントロールできるのかを見通すことは難しい。今後の利益計画のリスクとして、原材料コストの上昇を注視していく必要があると考えている。
A.ヘッジが可能な期間は、原材料によって異なるため、想定されるボラティリティに差が出る可能性はある。また、先行きが正確に見込めない中、100%ヘッジすることは出来ないが、コスト高の軽減策に向けて常に見直しをしている。
また、更なる市況高騰により追加の値上げが必要となる可能性もあるが、状況を注視しながら、必要に応じて対応していく。固定費についても、本年もバリューエンジニアリングという手法を活用して、これまで以上の規模の効率化に取組んでいく方針である。
A.私達は2016-17年にアサヒグループに入り、その中で着実に業績を拡大してきた。2年前には新型コロナウイルスの影響を受けたが、昨年は事業利益計画を達成することができた。これまでの不確実な厳しい状況を潜り抜けてきた経験もあり、自信を持っている。有能な人材、強力なブランドなど長期的に揺るがない基盤が揃っている。組織には、冒険心、信頼性、責任、成長への志があり、新型コロナウイルスによるパンデミック、ウクライナ紛争などの危機を乗り越えていきたい。
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