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ピルスナービールの味の立役者、伝統のホップを守り抜くために「FOR HOPS」による栽培システムの変革

ピルスナービールに欠かせないチェコ産のホップを、水不足から守る「FOR HOPS」。先端テクノロジーの力で、効率的な灌漑の仕組みを構築するプロジェクトが始まりました。

ピルスナービールに使われるホップの生産が、干ばつや気候変動の影響で危機的状況に

一人当たりのビール消費量が世界で一番多い国、チェコ共和国は、1000年以上の歴史を持つ世界有数のホップ生産国でもあります。チェコで生産されるホップのうち、およそ80%を占めるのが、北西部で栽培される「ザーツ種」。独特の苦味と軽やかな香りが特徴で、ピルスナービールの味わいを決定づける存在です。
そのザーツホップが今、危機に直面しています。原因は、近年加速する一方の気候変動。極寒や猛暑に加え、干ばつによって引き起こされる水不足や短期間における集中豪雨が、ホップ生産の収穫量や品質に深刻なダメージを与えています。「水さえ十分に確保できれば、ホップのツルは2カ月で7mも生長します。不安定な天候にも左右されない、品質と収穫量を維持する新たな方法を編み出さなくてはなりません」と、生産者はこの難局打開の道すじを探っています。
そうした声を聞きつけて2021年にスタートしたのが、ホップ農家を支援するプロジェクト「FOR HOPS」です。集まったのは、『ピルスナーウルケル』で世界中にファンを持つ老舗ビールメーカー、プルゼニュスキー プラズドロイ社、アサヒグループ、ソフトウェア業界をリードするマイクロソフト社、革新的な技術を農業分野に応用するアグリテクチャー社。その道のエキスパートが力を合わせ、最先端の技術を駆使してホップ生産に革新をもたらす、先駆的な試みが始まりました。

最先端の技術を用いて、チェコのホップ栽培に光をもたらすプロジェクト

「FOR HOPS」が目指すゴールは、限られた水をホップ生産に最大限活用できるよう、効率的な灌漑の仕組みを確立すること。そのためにチームは、ホップ畑の土壌やホップの苗一つひとつにセンサーを取りつけ、降水量・湿度・土壌中の栄養素といったデータを収集します。ホップ畑のあちこちに設置されたセンサーは、干ばつで受けたストレスを如実に示す、いわば「ホップの心電図」ともいえるもの。マイクロソフト社とアグリテクチャー社は、これらのデータを処理・評価する独自のソフトウェアを開発し、刻々と移り変わる状況のなか、ホップが今、何を必要としているのかを正確に把握できるようにします。
開発されたソフトウェアは、モバイルアプリとしてホップ農家に提供される予定です。生産者は広大な畑の個々のエリアにおいて、いつ、どれくらい灌漑すればホップの生長を最大化できるのか、手もとのスマートフォンで確認できるようになります。現在、チェコで進められているこのプロジェクトが軌道に乗った暁には、世界中のホップ生産者にこの技術を届ける計画です。
3つの大陸で活躍する専門家がつながり、持てる力を総動員することで、ピルスナービールの命であるザーツホップを守り、未来へとつなぐ「FOR HOPS」。「自分たちの知識や技術を、それを最も必要としている人たちのもとに届けたい」というマイクロソフト社が掲げるビジョンは、そのままプロジェクトメンバー全員の想いにほかなりません。伝統のザーツホップを最新技術で守りぬく挑戦は、続きます。

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